機会―本を出版することになったきっかけ
前回は、「エイプリルフール―ウソもついてみるものだ」というお話をしました。
「本を出版する」とメルマガでウソをつき、読者さんから応援メッセージもいただいたおかげで、多少は執筆活動が進みました。もちろん、出版できる保証など、どこにもありませんでしたが、「今できることを、淡々とやろう」と思い、出版を夢見て「本らしきもの」の原稿づくりを進めていました。
エイプリルフールにウソをついてから約1ヶ月後の2009年5月13日。あの日のことは忘れもしません。天気のいい午後、いつものようにメルマガを書いていたときでした。
奇跡のメール
「新着メールが届きました」と画面に表示されました。チェックしてみると「竹内様:「しごとのみらい」拝読しています」というタイトルのメールが届いていました。
「メルマガ読者さんからの感想のメールかな?」と、そのメールをクリック。そのメールは、こんな文面で始まっていました。
「はじめまして。主にビジネス書を発行する出版社の編集部におります、Iと申します。」
なんと、出版社さんからのメールです。そのメールによれば、
- 「チームをまとめる本を出版予定であること」
- 「著者を探していること」
- 「メルマガをお読みいただいていて、わたしが思い浮かんだこと」
など、わたしにメールを下さった理由かなどが詳しく書かれていました。
メールを読み終えて・・・うれしかったです。ただただ、うれしかったです。
とりあえず、編集者さんに、ご連絡をいただいたお礼のメールを送りました。
いつものパターン
うれしい感情と同時に、不思議なことに嫌な感情が芽生えてきました。
実はわたし、「出版しませんか?」というメールを、これまで3度ほどいただいたことがあります。そのときの嫌な感情が、脳裏に思い出されたんです。
ここで、ご参考までに、本の出版形式のお話をしておきたいと思います。本には、自費出版と、商業出版の2種類があります。
自費出版
- 出版にかかる費用は、著者が負担する
- きちんと編集(文字の体裁、読みやすさなどの校正)をしてくれるかわからない
- 本の流通をどこまでしてもらえるかわからない
- 本のマーケティング・宣伝が不安
などなど
商業出版
- 出版にかかる費用は、出版社が負担する
- 編集のプロがいる
- 全国の書店で流通してもらえる
- 本のマーケティング・宣伝もしてくれる
などなど
言い方を変えれば、自費出版は「お金と交換して本を出版してもらう」のです。自費出版の会社は、本の形にできればそれで利益が出ます。ですから、どこまで面倒を見てくれるかわかりません。一方、商業出版は、出版社がお金を出すので「売れなきゃ出版社が困る」のです。ですから、編集もきちんとしますし、マーケティング・宣伝も行うのです。
音楽のCDでたとえれば、CDを自費で作り、自分で売るのか、所属レコード会社からCDを出すのかぐらいの差があります。この差は、大きいですよね?
自費出版は、とてもお金がかかります。また、認められていなくても出版できます。一方、商業出版は認めらていなければ出版できません。「商業出版ができる実力がないのなら、本を出す意味がない……」そう思っていました。
ここまでお読みになって、かしこいあなたなら、きっと、お気づきのことでしょう。そうです。今まで3度ほどお話をいただいたのは、すべて自費出版のお誘いメールだったのです。「ひょっとしたらこのメール、いつものパターンのヤツかも?」と、正直思いました。
しばらくすると、編集者さんから企画書が送られてきました。自費出版では、「こちらがお願いして出版してもらう」のですから、もし、企画書を書くとしたら著者側。企画書が送られてくるということは、「本当に出版社が本を出そうと思っているのかな。これなら、信頼してもいいのかな?」と思いました。
けれども、あいまいなまま話を進めて、途中で「はい、その出版には○○万円かかります」と言われても困ります。そこで、企画書をいただいた返信に、「もし、自費出版なら出版を考えていない」と書き、メールを返信しました。
「これで、自費出版だったら、泣くな」と思いながら……。
いよいよ、現実に!
編集者さんから
「商業出版であること」
「契約上の話(いわゆる印税など)」
「出版までの流れ」
などが書かれたメールが送られてきました。ここまで書かれていれば信頼してもいいと思いましたし、自分なりにリサーチ(笑)も行い、本当に商業出版することに確信が持てましたので、いよいよ、出版に向けての準備が始まっていきました。
次回は、目次を考える―お姑編集者(笑)との衝突というお話です。




