第384号 リーダーの資格

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今日のトピック


100名からなるオーケストラでメンバーをまとめる指揮者。リーダーとして相応の資格がなければ、プロの奏者を率いて、1つの音楽を奏でることができません。今日は、指揮者の資格から、仕事におけるリーダーの資格についてお話します。

今日のお話


高木善之さんの「オーケストラ指揮法」という本はオーケストラを指揮する方のための本ですが、ビジネスの現場でも多くのことを学べる本です。

地球大予測〈2〉オーケストラ指揮法 高木 善之

地球大予測〈2〉オーケストラ指揮法

昨日は、リーダーには肩書きや言葉以上に、信念、経験、人間的魅力など、さまざまな要素が融合して、「体からにじみ出るリーダーの人間性」が必要だというお話をしました。

www.takewave.com/mailmagazine/2009/2009/05/13/1384/

今日は、指揮者に必要な資格から、仕事におけるリーダーの資格について学びます。


指揮者の資格


オーケストラの指揮者として必要な資格はおよそ次のようなものだと、高木さんは言います。

1:楽器を専門的に演奏できる
2:スコア(総譜)が読める
3:ミスを聴き分けられる
4:絶対音感
5:音楽理論、音楽史、音楽解釈に精通していること
6:人間的魅力

ちょっとここで補足しておきますね。

総譜とは、全体の流れが分かるように、各楽器全ての楽譜が1つに書かれているものです。

絶対音感とは、ピアノで「ド」の音を出したときに、その音を聴いただけで(何の基準が無くても)「ド」と言い当てられることです。

これらをまとめると、1~5までは音楽的な専門技能や知識、そして、6番目が、昨日のお話にもあった、にじみ出るような人間性なのではないかと思います。


リーダーに必要な専門技能や知識


オーケストラの指揮者が全ての楽器を演奏できるわけではありませんが、何かしらの楽器は演奏できるそうです。もっとも、それは当然かもしれませんね。奏者としての経験が無ければ奏者の立場もわかりませんし。本で知った表面的な知識だけでは、奏者にすぐにばれてしまうでしょうしね。

仕事でもそうです。偉そうで口だけの人にはついていきたいとは思いません。

また、ミスをやり過ごすのではなく、きちんと指摘して改善を求められることも必要でしょう。そのためにも、経験に基づいたミスを見抜く力も必要かもしれません。

仕事でもそうです。たとえば、私がかつて専門だったITの世界では、プログラムは人が造るものですし、その中にバグ(プログラムの不具合)があって当然なんですね。経験を積んでいくと、「大体このあたりに不具合を作りこんでしまうんだよな」というのがなんとなく分かる。いいものを作るためには、ミスを見抜く力も必要でしょうね。

音楽で言う絶対音感については、仕事で言うならば、私は「自分の軸」と表現したいと思います。「社長がそう言っていた」「会社の方針だから」というような、他人の相対的な考えを軸にするのではなくて、「私はこう思う」「私はこのようにしたい」など、自分の軸があると説得力がありますよね?

このような、自分の専門的な技能や知識があることで、相手の気持ちが分かり、信頼度が増していくのではないかと思います。


リーダーに必要な人間的魅力


高木さんはこの本の中で、人間的魅力については次のようにおっしゃっています。

「コンピュータのように知識があり、メトロノームのように正確にリズムを刻んだとしても、人間的な魅力がない指揮者には、オーケストラのメンバーはついていかないでしょう。」

さらに、人間的な魅力とは、

「人間として学ぶところを持っている人、具体的にはやさしさ、暖かみ、包容力、寛大さ、前向きの姿勢、個性、夢を持っていることなではないかと思います。」

と高木さんは言っています。

メトロノームというのは、リズムを正確に刻むために練習で使うの機械ですが私が中学時代に指揮していたときのように、正確にリズムを刻むだけならメトロノームがあればいいんです。

仕事上のリーダーも同じですねよね?目標の数値を見せるだけなら、エクセルにでもやらせておけばいいんです。それに加えて、「この人についていったら、いい仕事ができる。なぜか楽しくなる。前向きになれる」そのような人間味も必要なのではないでしょうか?

世の中では、見える化や、マネジメントのノウハウがたくさんあります。それも確かに必要かもしれませんが、それは音楽で言えばメトロノームなのです。それに加えて、人間的な魅力が必要だと思います。

ひょっとしたら、「私には人間的な魅力なんてない」と思われているかもしれませんが、そんなことはありません。自分が失敗したら、「失敗しちゃった~」と言える、これも人間の味というものです。私も、いつも失敗してばかりですが、失敗を話すことで共感されたりします(笑)。

また、朝、少し早く行って本を読む。それも立派な前向きな姿勢です。そういったできることから始めることで、人間的魅力は少しずつついていくのではないかな?と思います。

技能、知識、人間的魅力……最初から全部持っている人など誰もいません。少しずつ、少しずつ自分のできることから行動すること。そうすることで、リーダーの資格は、次第に作られていくものなのかもしれません。

読者さんの声


太田さんよりいただいたコメントをご紹介しますね。



いつも楽しく読ませていただいております。

世間から言われる言葉でカリスマ性という言葉があると思います。
しかし、私はこの言葉がとても威圧的に聞こえて、あまり好きになれません。

そんな時、ある人がこんな言葉を教えてくれました。
それは『たたずまい』

その言葉が何故出てきたかというと、
ある人が、ゴルフの上級者に『ゴルフとは何ですか』と聞いたときに
返ってきた言葉が『ゴルフとはたたずまいのスポーツだ』だったそうです。

その人はその言葉がわからず、家に帰ってから辞書で調べたりして
その言葉の意味を必死で調べたそうです。
そして何となくでしたがその意味を理解したそうです。

本来の意味は建物や庭園の風景に対する言葉かもしれませんが、
私自身はリーダーとして求められるものが
この『たたずまい』のある人だと思います。

その場にいるだけで雰囲気にマッチするというか、
そういったものがこの指揮者の方には有ったのではないでしょうか?



『たたずまい』…いい言葉ですね。

老子の言葉に、

「最上の指導者は誰にも知られない。
 その次の指導者は人々に親近感があり、ほめたたえられる。
 その次のものは人々に畏れられる。
 最下等の指導者は人々に軽蔑される。」

という言葉がありますが、カリスマというのは、人々から賞賛されるのに対し、『たたずまい』は、いるかいないかわからない(けれども、影響力を持っている)という、最上のリーダーなのではないかなと思いました。

お互い、そんなリーダーになりたいものですね。

勉強になりました。太田さん、コメントありがとうございました!


編集後記


最近、気温が上がってきたので、庭の雑草がとても元気です。取りたいなぁと思っているのですが、日中にいい大人が草むしりをしていると他人の目がなんとなく気になります。「昼間っから草むしりなんて、あの人はどんな仕事をしているんだろう?」みたいな(笑)。

そうです。私は「他人の目が気になる臆病者」なのです。あはは。

では、また明日!

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