立谷健一さん 29歳 システムエンジニア
2度の転職を経て、現在は新たな会社に身を置く直前。情報処理の資格を5つも持つITのスペシャリスト。半年前までコーチングを受ける。
では、今日は実際につい先日転職をご経験した立谷健一さんに、転職やキャリアアップの際に課題として出てくる「資格・勉強・やる気」と転職・キャリアアップの関係、それに関わっていく上でのコーチングの効果などについてお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
コーチングの効果
まず、コーチングそのものについてお伺いしたいと思います。立谷さんとは過去に、転職ではなくモチベーションアップ的なコーチングで関わらせていただきましたが、その中で、コーチングをやる前、やった後で、どんなメリット・デメリットがありましたか?
人の能力というのはこうやって引き出すんだなと思いましたね。人を認めてあげる、褒めてあげる、認められて自分にOKを出せる。自分にOKを出せるから心に落ち着きが生まれてくる。アクセクしていると集中力は出せませんが、認めてもらうことで集中力が出せるということですね。
なるほど。仕事をしていく上で、自分をコントロールするというか、相手に承認してもらえることで、リラックスできるということですか?
そうです。コーチングしてもらったから、自分自身のコーチングができるようになったという感じですね。
自分のコントロール、自分に対する承認なんですね。
今の自分にOKを出せないと、なんとなく尻込みしてしまいますけど、目標に対して、「落ち着いていていいんだよ」と自分に言えるということのメリットが大きいですね。この間、新たに情報処理の資格を取ったんですが、そのときもコーチングの手法を自分で取り入れて、「試験が終わったら遊びに行こう」と、試験を遊びに行く道具にして、ご褒美を用意したというか、自分への動機付け、自分への承認・・・というのは、コーチングをしてもらったから、自分でもできるようになったんです。
コーチングを受けたことによって、今まで自分がしてもらってきたことを自分に応用して、自分が一人になったときでも結果を出せるようになったということでしょうか?
自分にもそうですし、他人にもそうだと思います。私はコーチングをうまくやる自信はありませんが、「こうやっちゃだめだ」というのはわかっていて、「頑張れ!」「そんなんじゃだめだ」みたいな言葉をかけちゃいけないなというレベルならわかるようになりましたね。「認めてあげて、引き出す」みたいなところですね。
自分で無理に「がんばろう!」「そんなんじゃだめだ」とか、変なプレッシャーをかけてもうまく行かないということですね?
今回はその通りで、自分の理想からすると、今の会社はいつかはどうにかしようとはおもっていましたけど、今回の転職はあまりあせっていなくて、偶然知人に「いいところがあるよ」と転職の話をもらって、「じゃあ」といって流れに身を任せていましたね。サーフィンしているみたいな。後は筆記試験のために頑張って勉強したぐらいで、面接については、資格を一杯持っていますけど、資格はすごい評価になったかというと、そういう印象はあまり受けませんでしたね。
転職と資格の関係
資格という話が出てきたのでお聞きするんですけど・・・、よく「転職=資格」と言われてるところがありますが、立谷さんが、実際に「そんなにメリットがなかったな」というのは、どんなところで感じたんでしょうか?
面接の時にですね・・・能力はある程度あればよくて、企業にとって組織にフィットするかどうかをすごく見られました。組織に順応できる柔軟性のほうが見られているような感じがしましたね。
なるほど。資格というと、個人のスキルを売り込むためのツールだと思いますが、今回はそれよりも、会社、組織にとってどう動いてくれるかということが注目されていたということですね?
そうですね。どっちもあると思いますけどね。能力は筆記試験でテストされていましたからね。だから柔軟性なのかもしれませんね。
なるほど。会社には筆記試験があって、能力という意味では会社の判断基準があったから、資格というのはあまり感じなかったのかもしれませんね。
転職の理由
転職したいときって、その組織でうまくいかないから出たいと思いますよね?でも、新しいところでも求められることは案外一緒で、その組織にどう貢献して認められるかだと思います。前の会社でうまくいかなかったことが、また次の会社でも起こる。その人間性を会社は見ていると思うんですよね。だから、能力だけを高めて、「私、私」と考えていても、会社が取るかといったら取らないと思うんですよね。「私、私」っていうのがわかると思うんですよね。私も最初の転職は嫌でやめたんですけど、後から考えれば「なんて私はわがままだったんだろう」と思いましたね。
興味半分でお聞きしますが・・・最初に転職したときの理由は聞きませんけど、次の会社に行ったときに、前の会社で嫌だったことがまた起きたというご経験はありますか?なぜそういうことを聞くかというと、ひょっとしたら多くの転職を希望する方は、次の会社に行けば、環境が変わって、今の問題は解決されると思うと思うのですが、私の経験では、最初上司が嫌でやめて、その後は自分が上司になりたくないからやめて、ずっと「上司」という言葉が付きまとっていていたんですね。もちろん、仕事自体の問題もありますけど、一番の理由としては「上司」というキーワードはずっとつきまとっていて、結局最後は腹をくくって、コーチングや心理学を学んで、「上司業」を解決したら終わったという経験があったので。
竹内さんはサラリーマン生活もそこで・・・(笑)
結果的にそうなんですけどね(笑)でも、上司業は楽しく思えるようになりましたし満足しましたからね。以前のように「自分に合うところ、自分に合うところ」と探していくと、結局同じところで悩むというか、そういう話はよく聞くんですけど、「私に合うところ探し」をしていると、ずっと付きまとうのかなと(笑)
一部解決され、一部解決されなかったって感じですね。最初の会社は、仕事のやりがいとか向上心の雰囲気があまり無い会社だったので、もっとやる気がもてる仕事をしたかったんです。転職することによって、やる気の持てる仕事はできたんですけど、金銭面では逆に下がったんですよね。会社規模も小さくなって、将来性も不安になりました。やりがいだけで飛び出しても、他に大事なものは失っているという感じですね。
自分が大切な価値観を棚卸して、優先順位をつけておくようなことが必要なんでしょうね。
資格を取る時にモチベーションを維持する方法
資格が重要な場合もあると思いますが、資格を取るにはやる気を維持しなければならないわけですけど、資格を取るときにどうやる気を維持するか、アドバイスはありますか?
私はジェームスアレンの【「原因」と「結果」の法則】というのを24歳ぐらいの時に読んで感銘しまして、そのときから自分を変えていかなきゃだめだと思いまして、それから資格を取り始めたんですけど、その路線の継続なんです。転職の時も使えるだとうからというのはありましたけど、自分を磨くために自然とチャレンジしていたような感じでしたね。やる気を維持する方法としては、私の場合は繰り返し本を読むことですね。自己啓発の本とか。頭で意識しなくても自然と頑張れる自分になるまで本を繰り返し読むことですね。
資格を目的にしても、資格をとることで終わってしまうけど、自分の成長に視点をおくことことが大切で、資格はあくまでも通過点で、自分がなりたいもの・・・本が自分のモデルなんですかね?
そういう自分になりたいという本を繰り返し読むのが私のやり方です。資格は階段みたいなもので、難易度の低いものからやっていくと、次に必要なものが見えてくるので、流れにそって順に上がっていくみたいな。
一個の資格だけを見ると、1か0になってしまうけれど、あくまでもそれは通過点で、自分がモデルとする、理想とする人を持ったときに、資格は単なる通過点だからただただこなしていくという感じですか?
今は自然とこなせるようになりましたね。以前は「やらなきゃ!やらなきゃ!」って感じでしたけど、今はそんなに「やらなきゃ!」と思わなくなれたというか、資格にこだわらなくなりましたね。苦労を気にせずに頑張れるようになりましたね。
多くの人がそこに至らないと思うんですが、勉強することを習慣化するための工夫はありますか?
私はこつこつやるタイプではなくて、期間を決めて一気にやるタイプです。短期集中型です。
よく陥るのが「試験を取って終わり」という人が多いと思うんですが。
私もそれはありましたよ。一安心しちゃって間が空いてしまう・・・。そしたら、また本を引っ張り出して読みます。
なるほど。結局「本」というモデルがあって、本をずっと読んでいるから自然に「本のモデル」が気になるというか、試験が終わっても「これでいいのかな?」と思う。だから次の勉強を始めるわけですね。つまり、何かモデルとなるものを見つけて、繰り返してそれをやるということですね。NLPにもモデリングという手法があって、ある人をモデルにして、その人になりきるというのが成功への近道というのがあります。
モデル化ができていればモチベーションは尽きませんね。よく「資格とらなきゃなぁ」と取らない人がいますが、それは「資格だけ」になっていますよね。言われたからとか格好悪いとか、自分が評価されていないから資格を取るとか・・・資格があれば幸せになれるみたいな(笑)。資格をとっても幸せにはなれない。資格を階段だと思っていないから最初の一段がとても大きく見えてしまうじゃないですか。だから「私には無理だ」となってしまうんでしょうね。階段だと思うと冷静になれて、闇雲に頑張るというより「70点取ればOK」とか「得意なところ」とかを分析できるようになりますよね。
転職する人へのアドバイス
わかりました。それでは、他の転職する人へ、転職にはこういうことが重要だと思うということがあれば、キーワードとして2~3あげるとしたらなにがありますか?
まず「どういう自分になりたいのか?」を決めることですね。自分がこうありたいというものがアピールできないといけませんよね。履歴書や職務経歴書にはそういうことを書きますから、「給料をアップする」とはかけないし・・・結局そこをうそついて書いても「安定性」とか、軽い言葉になってしまうので、「自分がどうなりたいか?」「その会社で何を学びたいか?」だから一生懸命やりたいということをいえるように、モデルをいつも頭に描くことが一番大切ですよね。
多くの人が、「変わらなきゃいけない」と思うけど「何したらいいかわからない」という人が多いです。ある相談サイトを見ると「何をしたいかわからないけど、バイトから正社員になりたい。バイトも悪くないけどどうしたらいいのでしょう?」という相談があるだけど、なぜ立谷さんはモデルがあるんでしょう?
私の場合は以前、仕事をしていて楽しい時期があったんです。一緒に仕事をした仲間が優れた人やモチベーションが高い人が多くて、優れた人と間近に接していたら、「自分もこういう風になりたい」と思ったんです。そういうところではないでしょうか?一緒に仕事したときのあこがれた先輩とか。
何も無い人は、ちょっと外に出て、理想の人に接する機会を持つということが大切かもしれませんね。
私は合気道をやっていて、その師範に鍛えてもらえたので、そういう意味ではいい出会いでしたね。
2番目に重要なのが、タイミングだと思います。待つ時期も必要だと思います。なんとなく次に行こうかなと思っていましたが、ずっと待っていて、待っている自分をOKできるか・・・こういう感じです。大縄跳びでは縄が下に来るまでずっと準備をして待っているじゃないですか?「はい」言われたらすぐ入れるという感じ。今できることは一生懸命やって、資格も取っておく。それで、タイミングがきたら行くという感じですね。
なるほど、タイミングがいつきてもいいように、自分を準備しておく。ということですね。準備するということは「こうなりたい」というものがないとできそうにありませんね。
会社をやめる理由は、本音は「嫌」でもいいんですよね。嫌だということはその裏側には理想像がある。その理想を自分のモデルにして、いつタイミングがきてもいいようにしておく。そして、タイミングが来たらいく。そのために、日々努力するということですね。
努力と思うと難しいですけど、それを楽しめたらいいですね。
転職・キャリアアップにおけるコーチングのメリット
キャリアアップや転職で悩んでいる方にコーチング・カウンセリングを受けるメリットがあるとしたらなにがあるでしょう?
そうですね、一旦状況を整理できるということですね。辞めたいときは辞めることに一心で、見落としている部分があるんですよね。マイナス面だけみえて、本当は結構いい環境にいるということもあるんですよね。だから、状況を整理することが一つ。二つ目は、「あなたはどこに行きたいんですか?」と質問してもらえるので、言葉にすることによってなんとなく思っていたことがはっきりする。この二つがあれば、冷静になります。今満たされていることを失っても次に行くべきなのか、今とどまるべきなのか?学び終わったから次に行こうと決めるか?判断できると思います。あとは、「嫌」という感情から「自分が本当に求めているのがなんなのか?」という、ポジティブな理由に変えてから転職できるというところですね。
では、本日はどうもありがとうございました。
インタビュアー 竹内義晴
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